海水に浸かる話

水族館が好きです。幼稚園生の頃ファインディングニモの映画を見て海に詳しくなりたいな〜と思い、旧東京商船大学に遊びに行ったことがあります。結局それを学問として修めるほどの熱意はなくて今に至るわけですが、ただ海にいる生き物を眺めているのが好きです。

人間は海上ではいきられません。魚みたいにエラ呼吸できないし、カモメやペリカンみたいに塩類腺も持っていません。身近ではあるけどそこで生活することはできない、それくらいの距離感がいいなって思ってます。分厚いアクリル板越しに直接物質のやりとりはできないくらいがちょうどいいです。

 

久石譲の曲に「海の見える街」、「海のおかあさん」という曲があります。前者も後者もワルツであり、私は彼の作る三拍子が好きです。(音楽的なことはいまいちわからないのですが)前者はバルト海、後者は太平洋。魔女の宅急便もポニョも見ていなくても伝わってくると思います。どちらも心がぎゅっとなってしまう。

 

高校三年の秋、地元の海沿いを全校生徒で歩きました。この行事自体は夜通し歩く辛いだけのものなので修学旅行に代わるほどではないと思ってるけど、潮風で髪が絡まるな、と煩わしい思いをしながらも進んで行った松がどこまでも植わっている景色、砂浜、寄せては返す波、忘れられなかったです。今年の初詣で近くを通ったのですが、思い出補正が本当にひどい。郷愁。二度と経験はしたくないけど思い出としてはとっておきたい。

 

浸かるというか、色々と浸ってしまったという話でした。